家庭や職場、友人関係からある出来事を通して、無性にやるせない気持ちや、怒りの気持ちで煮えくり返ることもあると思います。
例えば、朝から職場の上司に私生活のことで嫌味を言われたとしましょう。そうすると「あんたなんかに言われる筋合いはない!」と、カッと怒りの感情が沸き起こりますよね。
そしてせっかくの清々しい1日が台無しになり、その日は朝から最悪の1日になってしまう…なんてこと、皆さんにも起きていることでしょう。
これは完全に“感情に支配されている”状態。今回は、このような状況に陥ってしまったときの対策とともに、根本的に“感情に支配されない自分“になるための方法を解説していきます。
感情に支配されると心を閉ざしてしまう
怒りや悲しみ、苦しみなど、マイナスの感情が続くと、人間はその感情を奥底に閉じ込めようとする心理が働くものです。
やがてはマイナスの感情を奥底に閉じ込めることが習慣となり、怒りや悲しみ、苦しみを見てみぬふりをし、モヤっとした気持ちだけが心を支配してしまいます。
これが“感情に支配される”ということ。こうなってしまうと、ここからどうやって抜け出せばよいのか分からなくなってしまいます。
感情に支配されたときの応急措置
最初に、感情に支配されてしまったときの応急処置をお伝えします。
右手の手のひらをおでこに当ててください。そして、左手の手のひらで左側の顔の頬を包み込むようにして、頬をグッと下に押し下げてください。
押し下げた状態で、怒った時の光景をありありと思い出し、
その怒りを素直に感じてください。
十分にマイナスの感情を感じたと思ったら、左の頬を包み込んでいる左手の手のひらを上に押し上げてください。そして、今度は、何も考えず無心の状態でゆっくりと深呼吸します。
頬を押し下げた状態と比べると、感情が落ち着いてくるはずです。
次に、左右の手を入れ替え、左手の手のひらをおでこに当て、右手の手のひらで右側の頬を包み込んで、
頬をグッと下に押し下げてください。
同じように、押し下げた状態で、怒った時の光景をありありと思い出しましょう。
そのマイナスの感情を素直に十分受け入れることができたら、右手の手のひらを上に押し上げ、何も考えず無心の状態で感情が落ち着くまで、ゆっくりと深呼吸します。
普段は、怒り、悲しみ、不安、苦しみなどと正面から向き合うと辛くなってしまうので、心の奥底に閉じ込めようとしてしまいます。
しかしそれは、身体の不調にもつながります。
頬を押し下げることによって感情と向き合い、頬を押し上げて冷静な気持ちに立ち戻ります。ぜひ、試してみてください。
感情をコントロールするための方法
次は、感情に支配されないために感情をコントロールする方法をお伝えします。
キーワードとなるのは、“メタ認知力”。メタ認知力とは、簡単に言えば自分自身を客観的に認知する能力です。
メタ認知力を高める
メタ認知力を高めることで、感情に支配されないメンタルを定着させることができます。
自分自身を客観視することができれば、高まる感情に反応しやすい出来事に対しても、思考のパターンを変容して行くことができるのです。
人間は様々な出来事を感情で受け取りますが、その感情を素直に受け止めた上で、負の感情をポジティブな感情に変容して行くことで、感情をコントロールすることができるようになります。
音声心理学はメタ認知力を高めるのに効果的
音声心理学では、声診断を通して心の状態を波形にして表します。つまり、感情を形として見ることができるということです。
自分自身を客観視するといっても、形のない自分の感情を客観的に見ることは容易ではありません。それが声診断によって認識しやすくなるため、結果として感情をコントロールできることにつながり、感情の支配から解放されることに結びつきます。
自分を客観視することができれば、怒りや不安、悲しみの感情が沸き起こる根本的な原因を突き止め、客観的に自分のメンタルを見て行くことができるようにもなっていきます。
人間には、“思考の癖”というものがあるので、その過程は決して簡単ではありません。しかし声診断から読み取った思考の癖を意識し、改善することができれば、より早く、より効果的に感情をコントロールする術を身につけることができるのです。
まとめ
喜怒哀楽がない人間はいません。怒りや不安、悲しみ、苦しみなどのマイナスの感情には、誰もが支配されたくないと思うものでしょう。しかし、マイナスの感情に出会わない人生などありません。
重要なのは、マイナスの感情に支配されないことであり、感情をコントロールすることなのです。